越前焼のベテラン窯元6人による作品展。手前は天目釉の作品を披露した伊藤順康さんのコーナー=福井県越前町の越前陶芸村文化交流会館

越前焼のベテラン窯元6人による作品展。手前は天目釉の作品を披露した伊藤順康さんのコーナー=福井県越前町の越前陶芸村文化交流会館

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越前焼ベテラン作家6人競演 伝統に現代吹き込む魅力紹介 越前町の陶芸村文化交流会館

福井新聞(2023年2月24日)

 福井県越前町に窯を構えて約40~50年になるベテラン作家6人の作品を紹介する「越前焼窯元6人展」が越前町の越前陶芸村文化交流会館で開かれている。天目釉(ゆう)の技法を駆使したものや、越前漆器やガラスと組み合わせた作品など伝統に現代を吹き込んだ力強い越前焼の魅力を伝えている。

 産地を代表する作家の作品を一堂に見てもらおうと同館が企画。伊藤順康さん、宇野直さん、木村好博さん、佐々木禅さん、中村豊さん、西浦武さんが計約100点を出品した。

 伊藤さん、木村さん、佐々木さんは、天目釉の第一人者で県陶芸館名誉館長を務めた故木村盛和さんに師事してこの道に入った。鉄や銅などの鉱物から作った釉薬の窯変による、艶やかで深みのある風合いの器を出品。3人の作品がそろうことで、いかに天目釉の輝きが多様で神秘性に富んでいるかを伝えている。木村さんは引退するため最後の展示となる。

 中村さんは越前漆器の朱色の塗りぶたが合わさった水差しを披露。曲線の美しいハート形のフォルムも合わさって、モダンな雰囲気を生み出している。西浦さんは伝統的な古越前の世界につながる、土味を生かした器を、宇野さんはガラスとの組み合わせやユニークなフォルムの作品を出品している。

 同館の担当者は「バリエーション豊かな越前焼を楽しんでもらいたい。同時に徒弟制度がほとんどなくなった産地において、越前焼の今後を担う若手作家の刺激となることを期待している」と話している。

 無料。3月21日まで(月曜、2月24日は休館)。

 3月21日午後2時からは、作家6人によるギャラリートークがある。

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