福井県奥越に春を呼ぶ奇祭として知られる県無形民俗文化財「勝山左義長まつり」が25、26日、勝山市中心部一帯で開かれる。呼び物となる各区の櫓(やぐら)での「浮き太鼓」が3年ぶりに披露される。会場一帯では赤や黄、緑など色鮮やかな短冊が飾られるなど、まつりのムードが高まっている。
まつりは2021、22年と新型コロナウイルス禍で神事のみに縮小されていた。今年は「浮き太鼓」の披露や短冊飾り、作り物と絵行灯(あんどん)の展示・コンクールを3年ぶりに実施。九頭竜川河川敷での「どんど焼き」も、26日夜に各区のご神体を並べた本来の形で行う。ただ例年櫓を設ける12区のうち2区は設置を見送るほか、スタンプラリーなど一部催しは中止となる。
各区では作り物や絵行灯、短冊の設置がスタート。芳野区では19日に住民数十人で一斉に短冊の飾り付けを実施。同区実行委員会役員の男性は「やっと春が来たという感じがする」と笑顔を浮かべた。24日には各区のご神体や櫓の準備も行われる。
25日は午後1時から元町2丁目区の櫓で打ち鳴らされる一番太鼓を皮切りに、各区の櫓で左義長ばやしが始まり、演奏は夜まで続く。26日は午前9時ごろから演奏があり、午後8時にはまつりのフィナーレを飾るどんど焼きが始まる。
市は「伝統芸能の継続を一番の目標としているので、十分なおもてなしはできないと思うが、楽しんでもらいたい」と来場を呼びかける。詳細な各区の演奏時間、まつり会場周辺の通行規制などは市ホームページで確認できる。