繭の仕入れ帳簿など当時の様子が分かる展示

繭の仕入れ帳簿など当時の様子が分かる展示

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田中本家、分家に残る歴史 明治~昭和の資料50点展示 須坂市文書館

信濃毎日新聞(2023年3月14日)

 須坂市文書館は、豪商田中本家の分家で江戸から大正にかけて製糸業などで財を成した「田中下屋敷」が代々所有していた文書資料を集め、企画展「穀町・田中下屋敷のアーカイブズ」を開いている。地域に残る文書を基に地元の歴史の一端を紹介しようと、同館が寄贈を受けた明治~昭和期の資料約50点をそろえた。31日まで。

 同館によると、田中下屋敷は、田中本家の2代目当主田中新十郎の弟平左衛門(1836年没)を初代とする。地元の製糸結社「東行社」の傘下に入って製糸業を始めたほか、酒造業、油問屋などを5代にわたって営んだ。

 展示では、生糸の原料となる繭の仕入れ帳簿や、生糸の品質向上のために賞与や罰則を定めた文書など、製糸業で栄えた須坂の一端がうかがえる資料を紹介。分家の当主が日露戦争に従軍した地元出身者から受け取った手紙も展示し、戦地の緊張感や、ポーツマス条約締結で終戦にめどが立ったと知った兵士の安堵(あんど)感がつづられている。

 企画した学芸員の松島耕二さん(62)は「文書を通じて、当時の社会の空気などを感じ取ってほしい」と話している。午前9時~午後5時。土日祝日は休館。入場無料。問い合わせは同館(電話026・285・9041)へ。

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