川辺さんの作品に見入る紘子さん(左)と俊克さん

川辺さんの作品に見入る紘子さん(左)と俊克さん

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射水の元デザイナー・故川辺さん念願の個展、家族かなえる 高岡で22日から

北日本新聞(2023年4月8日)

 2019年に亡くなった富山県射水市南太閤山(小杉)の元デザイナー、川辺俊夫さん(享年80)の絵画展が22~24日、高岡市の県高岡文化ホールで開かれる。初めての個展を予定しながら開催できなかった本人に代わり家族が企画。「念願の個展が開けることになり良かった」と準備を進めている。

 川辺さんは砺波市生まれ。高岡工芸高校図案絵画科を経て、東京の専門学校でデザインを学んだ。グラフィックデザイナーとして個人事務所を設立。引退後、75歳で本格的に絵を描き始めた。水彩画を中心にアクリル画も制作。自然散策が好きで、県内の風景や身近な草花を繊細に表現した。

 1年目の15年に、公募展「庄川流域を描く」で「初夏の小牧ダム」が北日本新聞社賞、射水市展で「冬の薬勝寺池」が大賞を受賞。翌16年には東京・上野で開かれた蒼樹展で新人賞を受けた。制作に熱中し、入賞・入選を重ねていった。

 個展を開こうと18年末に会場を予約し、年賀状にも「個展を開きます」と宣言した。間もなく胃がんが見つかり入院。19年春に予定していた個展は開催できなかった。再び描きたいと意欲を見せる中、同年6月に永眠した。

 家族は一周忌に向け、本人の誕生日に合わせて4月に個展を計画したが、新型コロナウイルスの感染拡大で取りやめた。21、22年もコロナ禍の影響を受け、妻の紘子さん(80)は「本人が希望していたことを早くかなえてあげたい」との思いを募らせていた。

 改めて会場を予約し準備を進めており、4年間の絵画約40点を展示する。長男の俊克さん(55)は「作品を一堂に見てもらえるいい機会になる」と語った。

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