第114回九谷茶碗まつり(北國新聞社後援)は3日、能美市内3会場で3日間の日程で始まった。初日は天候に恵まれて3万5千人(主催者発表)が訪れ、日常使いの食器や有名作家の逸品などを買い求めた。
●会場分散、50店参加
昨年に続いて会場を分散して開催し、計50店が参加した。今回初めて会場となった能美ふるさとミュージアム隣の和田山会場では、開場2時間前の午前7時ごろから人が並び始め、駐車場待ちの車列ができた。
和田山会場に19店、根上総合文化会館に15店、九谷陶芸村に12店がブースを構え、4年ぶりに模擬店やキッチンカーが出店して飲食スペースが設置された。
各ブースには茶碗や皿、カップなどが所狭しと並び、有名作家の名品をはじめ、アニメ人気キャラクターの食器などが人気を集めた。家族連れらは商品を手に取ってじっくり品定めし、値打ち品をアピールする店主とのやりとりを楽しむ姿も見られた。
このほか、実店舗・窯元会場として4店も参加している。
まつりの期間はシャトルバスを運行せず、マイカーや会期中無料の市コミュニティーバス「のみバス」での来場を促す。5日まで能美ふるさとミュージアムと市九谷焼美術館は入館無料となる。
●慰霊祭で先人しのぶ
九谷茶碗まつりに合わせ、能美市内では3日、江戸から明治期に活躍した九谷の名工、斎田道開(さいだどうかい)と九谷庄三(しょうざ)の慰霊祭が営まれた。関係者が先人の功績をしのび、地場産業振興に決意を新たにした。
4年ぶりに寺井町の奧野八幡神社で営まれた九谷庄三の慰霊祭では、九谷庄三会の梶本義晴会長ら約30人が参列。佐野町の狭野神社内にある陶祖神社では、佐野九谷陶祖神社奉賛会の宮本繁会長ら約20人が道開の足跡に思いをはせた。井出敏朗市長があいさつした。
3日は能美署がまつりの3会場で防犯キャンペーンを実施し、署員や能美少年補導員連絡会員が非行防止や防犯を呼び掛けるパンフレットを配った。