御旅所を出発する台車=白山市美川浜町

御旅所を出発する台車=白山市美川浜町

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美川の「おかえり」夜まで熱気  最終日にぎわう 台車12台絢爛

北國新聞(2023年5月22日)

 白山市美川地区の県無形民俗文化財「おかえり祭り」は21日、最終日を迎えた。美川浜町の御旅所で一夜を明かした台車(だいぐるま)や神輿(みこし)が藤塚神社へ戻る「還幸祭(かんこうさい)」が行われ、今年の「おかえり筋」の美川末広町をあでやかな行列が彩った。新型コロナの感染症法上の位置付けが引き下げられて最初の祭りとなり、周辺の屋台もコロナ前のにぎわいが復活し、港町は夜遅くまで祭りの熱気に沸いた。

 御旅所には日中、破損した美川今町以外の各町内の台車12台が勢ぞろいし、蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)細工など美川仏壇の職人技が光る豪華絢爛(けんらん)な姿が見物客を魅了した。乗車体験もでき、子どもたちが台車に乗って太鼓をたたいた。周辺に屋台が立ち並び、多くの観光客でにぎわった。

 御旅所の神輿を迎えに行く「参向式」では、紋付き袴姿の住民約150人が旗を振ったり、ラッパの音を響かせたりした。御旅所を午後7時に出発した台車は、ちょうちんに照らされて幻想的な雰囲気を漂わせる町の中を「ギィー」と独特のきしみ音を響かせながら練り歩いた。

 おかえり筋は10町が1年ごとに持ち回りで務める。飲食物を提供する「舞い込み」も行われ、各家では訪れた親類や知人、台車を引く男衆らをもてなした。

 今年は女性のラッパ手や担ぎ手が祭りを盛り上げ、初日は初の西ルートでの巡行も行われた。おかえり祭りを守る会の山口智弘会長(47)は「男女関係なく祭りに参加し、担い手として頑張る姿を多くの人に見てもらうことで参加者の輪を広げ、次の世代につないでほしい」と話した。

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