長野県須坂市米子の国名勝「米子瀑布(ばくふ)群」への立ち入りが解禁されるのを前に22日、市や地元関係者ら約30人が瀑布群近くを訪れ、登山道と新たに整備した休憩所などを視察した。2019年10月の台風19号災害で瀑布群に通じる林道米子不動線や周辺の登山道が土砂崩落し、通行止めとなっていた。復旧工事の完了に伴い立ち入りは23日に解禁される。解禁は3年半ぶり。
米子瀑布群は、四阿山(あずまやさん)の北の麓の崖を流れる不動滝(落差89メートル)や権現滝(同82メートル)からなる。滝の下にある米子不動尊は日本三大不動尊の一つに数えられる修験道場。紅葉が見頃の時季には市内外から観光客が訪れる市内有数の観光名所だ。
市は、台風19号直後に瀑布群に通じる林道と登山道を通行止めにし、復旧工事を進めてきた。重機の侵入が難しい登山道は、石積み技術にたけたネパールのシェルパの知見を生かし石畳や階段を修復。崩落した橋はつり橋に架け替えた。併せて、登山者用駐車場に市内の観光情報を発信する休憩所を新設。老朽化した公衆トイレも建て替えた。
市は22日、登山者用駐車場で安全祈願祭を開いた。三木正夫市長は「より多くの人に瀑布群の自然を楽しんでもらいたい」と話した。