例年7月20、21日に珠洲市飯田町で行われる市無形民俗文化財「燈籠山(とろやま)祭り」が4年ぶりに通常開催される見通しとなった。飯田町祭礼委員会が29日開いた役員会で方針を決めた。今月5日に最大震度6強の地震が起きたものの、直近3年間はコロナ禍で中止や制限付き開催を余儀なくされたこともあり「祭りを将来につなぐために実施すべきだ」との認識で一致した。
役員会は委員ら15人が出席して開かれ、全会一致で通常開催へ準備を進めることを申し合わせた。ただ、地元8町ごとに被害状況が異なるため、今後はそれぞれに例年通りの態勢での運営が可能かを話し合い、6月の役員会で報告してもらう。
祭礼委の担当者は「地震に対する不安はあるが、みんなで祭りを執り行いたい」と話した。
●児童が布に伝統模様
飯田小児童は29日、飯田わくわく広場で、燈籠山を飾る布「キャラコ」に絵柄を描いた。5、6年児童25人が紫色の絵の具を使い、伝統の模様である格子を表現した。
濱田凜香さん(6年)は「自分たちが色付けした布を使った燈籠山を多くの人に見てほしい」と話した。
●半壊、8増の98棟に
石川県は29日、地震被害について半壊が8棟増の98棟、一部破損が18棟減の590棟、非住家被害が10棟増の135棟になったと発表した。