吹奏楽のための幻想曲『式部』」の再演奏を果たしCD収録に臨む市民楽団メンバー=6月4日、福井県越前市文化センター

吹奏楽のための幻想曲『式部』」の再演奏を果たしCD収録に臨む市民楽団メンバー=6月4日、福井県越前市文化センター

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"幻"の曲「式部」35年ぶりに復活 越前市で再演奏

福井新聞(2023年6月5日)

 福井県越前市ゆかりの紫式部をモチーフに作曲された「吹奏楽のための幻想曲『式部』」の再演奏を目指して今春発足した市民楽団が6月4日、市文化センターでCD収録に臨んだ。式部が主人公となる来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」をきっかけに、"幻"の曲が35年ぶりによみがえった。

 幻想曲「式部」は、同市の音楽家の篠田さんが、旧武生市制40周年に合わせて作曲。篠田さんが主宰する吹奏楽団「たけふプティト・アンサンブル」のメンバーらが1988年の市民総合文化祭で発表した。その後は公の場で演奏されることがほとんどなかったが、篠田さんらの実行委員会が再演奏プロジェクトを立ち上げた。

 市民楽団は、公募で集まった20~70代の57人で4月に結成し、計5回の練習を重ねてきた。ステージで行われた収録では、緊張感に包まれた中、武生の地名の元にもなった平安時代の古代民謡「催馬楽」や民謡「やんしき」をヒントにしたメロディーを息を合わせて奏でた。試聴後には拍手がわき起こっていた。

 CDは、同じく篠田さんが古里への思いを込めて作曲した「吹奏楽のための行進曲『たけふ』」、「ふるさといまだて紙すきのま~ち」も合わせて収録し、200~300枚程度を製作する。10月1日に演奏を披露する式典が予定されており、その後に市内の公民館や小中学校に配布する。

 篠田さんは「大河ドラマをきっかけに、みんなが気持ちを一つにしていい演奏ができた」と講評。35年前の演奏にも武生東高生として参加していたクラリネット担当の女性は「奇跡みたいな巡り合わせに感動しながら演奏した。多くの人に聞いてもらって、まちおこしにつながってほしい」と声を弾ませていた。

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