春から初夏にかけての農村風景を描いたびょうぶ絵

春から初夏にかけての農村風景を描いたびょうぶ絵

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「農家の四季図」初めて公開 9代目須坂藩主が描いたびょうぶ絵 須坂市

信濃毎日新聞(2023年6月4日)

■換金作物の米生産者に感謝?

 須坂藩9代目藩主堀直皓(なおてる)(1755~1814年)が描いたとされるびょうぶ絵「農家の四季図」が25日まで長野県須坂市横町の市笠鉾(かさぼこ)会館ドリームホールで初めて公開されている。稲作の作業や農村の習俗が描かれ、当時の農民の暮らしぶりを知る重要な資料だ。

 びょうぶ絵は2点でそれぞれ高さ約1・8メートル、幅約2・7メートル。1点は春から初夏の農村風景で、くわやすきで田を耕し、代かきや田植えをする人々を描いた。端々には北帰行するツルや、水田を飛び交う夏鳥ツバメも描き、季節の移り変わりも表現した。

 もう1点は秋の風景。刈り取った稲を馬の背に載せて家へ運び、「こき箸」と呼ばれる長い箸で脱穀する様子が描かれている。

 市博物館によると、こうした絵は四季折々の農村を描いた「四季農耕図」と呼ばれ、全国各地に同様の絵が残る。公開中のびょうぶ絵は昨年、市内在住者が市へ寄贈。絵を収めたきり箱に「堀直皓筆」と記されていた。小林宇壱(ういち)館長は「主題である米は当時、換金作物として重宝された。米の生産を担う人々への感謝などを込めたのではないか」と推測している。

 4日午後2時からは学芸員によるギャラリートークを開く。月曜休館。入館料は一般200円、高校生以下無料。問い合わせは市笠鉾会館ドリームホール(電話026・246・7100)へ。

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信濃毎日新聞デジタル https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023060400242
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