江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎(1760~1849年)が制作に協力した県宝「上町(かんまち)祭屋台」の組み立てが22日、長野市の県立美術館で完了した。同館で7月1日~8月27日に開く信濃毎日新聞創刊150周年記念特別展「葛飾北斎と3つの信濃―小布施・諏訪・松本―」で展示する。
屋台は普段、上高井郡小布施町の北斎館で展示しているが、特別展のため150余の部品に解体し、同館に運び込んでいた。1階部分や骨組みの組み立ては21日に終え、22日は北斎が描いた天井絵「怒濤(どとう)図」を屋台に設置。町内の大工ら計17人が築いた足場を伝い、怒濤図の「男浪(おなみ)」「女浪(めなみ)」のレプリカ2枚を上方から天井部分に差し入れた。
12個の部品に分かれた屋根は、凹凸を確認しながら丁寧にはめ込んだ。2階部分には、北斎がデザインしたとされる中国の古典「水滸伝」に登場する軍師「皇(公)孫勝」の木彫を置いた。特別展では本物の女浪を屋台近くに展示する。
屋台は1845(弘化2)年、小布施の豪農・豪商で絵師の高井鴻山(こうざん)(1806~83年)が私財を投じて制作し、高さ約4・8メートル、幅2・4メートル、奥行き約3・8メートル。作業を見守った北斎館学芸員の中山幸洋さん(44)は「作業自体も貴重な資料。記録を残し、研究に生かしたい」と話した。