測量後に撤去されることになった「鉱山橋」=小松市尾小屋町

測量後に撤去されることになった「鉱山橋」=小松市尾小屋町

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「鉱山橋」3Dで残す  小松・尾小屋、老朽化で撤去へ

北國新聞(2023年6月26日)

 ●年度内に測量

 小松市は尾小屋町の旧尾小屋鉱山付近にあるコンクリート橋について、今年度内に3次元(3D)測量を実施し、立体的に全体像をデータ化する。かつての鉱山町の隆盛を伝える通称「鉱山橋」を巡っては、産業遺構として有志団体が保存を呼び掛けてきたものの、老朽化のため修繕は難しく、市は測量後に撤去する。収集したデータは後世に引き継ぐ計画で、将来の復元か模型化に役立てる。

 橋は全長21メートル、幅4メートル。尾小屋鉱山資料館によると、日本鉱業が1941(昭和16)年に設けた鉱山事務所と麓の商店街を結んだ橋で、事務所開設に合わせて架橋されたとみられる。

 白い外観が特徴で、欄干部分にはアーチ状の装飾が残る。橋の両端は階段となっている。老朽化のため所々が崩落しており、周辺を管理する市が2015年11月に点検したところ、崩落の危険があるとして通行止めにした。

  ●修復は困難

 橋に関しては、小松市の「カラミの街保存会」などから、日本遺産「小松の石文化」の象徴の一つである尾小屋鉱山や、麓の鉱山町の歴史を伝える構造物を「産業遺産として残すべき」との声が上がっていた。

 市側は対策を検討したが、劣化が著しく修復困難として2018年に地元の尾小屋町町内会と調整し、撤去を決めた。一方、かつて日本有数の銅山だった尾小屋の歴史の一つとして、3次元測量で橋の形をデータ化して残すことにした。

  ●地元有志が環境整備

 鉱石を製錬する際の副産物「カラミ」で造られた遺構の管理、整備に取り組む「カラミの街保存会」や、旧尾小屋鉄道の愛好者でつくる「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」などの有志は、鉱山橋や鉱山資料館周辺に残るカラミの擁壁などかつての景観を残そうと、除草や清掃に取り組んでいる。

 25日は、保存会が「カラミの街尾小屋をめぐる会」を開き、35人が会員の案内で鉱山橋や鉱山町の遺構などを巡りながら、尾小屋鉱山の歴史を学んだ。

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