加佐ノ岬を散策する台湾からの一行=加賀市橋立町

加佐ノ岬を散策する台湾からの一行=加賀市橋立町

石川県 加賀・白山・小松 祭り・催し アウトドア・レジャー その他

「橋立に台湾富裕層を」  加賀・北前船主集落で文化観光 モニターツアー第1弾

北國新聞(2023年6月29日)

 加賀市とつながりが深い台湾の富裕層の誘客に向け、同市橋立地区の住民が北前船交易で栄えた地域の歴史文化を満喫できるツアーづくりに乗り出した。28日はモニターツアーの第1弾が行われ、台湾の行政関係者らが日本海を望む名所「加佐ノ岬(かさのみさき)」を散策したり、音楽療法を体験したりして地域の魅力に触れた。今後も文化観光を軸とした「上質な旅」を提案し、地域活性化につなげる。

 橋立地区は藩政期に隆盛を誇った北前船主集落の風情が色濃く残り、国内外の旅行者の評価は高い一方、地区内に宿泊施設が少なく観光による消費額が伸びないことが課題となっている。

 このため、住民有志は加賀橋立北前船ツーリズム実行委員会を設立し、その土地ならではの歴史文化に関心があり、消費単価も高い海外富裕層に狙いを定めた誘客に着手。加賀市と台南市が友好都市であることなど交流がある台湾からの呼び込みに力を入れる方針だ。

 28日は台湾の行政、旅行業の代表者ら4人が橋立を訪れ、加佐ノ岬倶楽部(くらぶ)の宮本昭夫社長の案内で地域を巡った。同倶楽部が運営するカフェでは、音楽に合わせて体を動かすミュージック・ケアを体験し、ご当地グルメ「加賀パフェ」を味わった。

 台湾南部に位置する屏東県の黄國維(コ・ウコクイ)県政府交通旅遊処処長は「五感で楽しむことができるツアーで台湾の人にも人気が出る」と話した。

 一行は加賀市役所も訪れ、宮元陸市長と懇談した。29日は国重要文化財の北前船主屋敷「忠谷家」で地元に伝わる獅子舞や浦安の舞を視察し、郷土料理の茶番御膳を堪能する。

 モニターツアーは、国が訪日客回復を目指す地方自治体や団体を後押しする観光再始動事業の支援金を活用した取り組み。実行委はツアー参加者の意見を参考に内容を磨き上げ、旅行商品として売り込む方針だ。

  ●給食食べて交流 山中小

 加賀市の教育交流事業で市内に滞在している台湾嘉義(かぎ)大附属実験国民小の児童23人は28日、同市山中小を訪れ、同校の児童と一緒に給食を食べたり、レクリエーションを楽しんだりして友情を深めた。

 台湾と山中小の児童は身ぶり手ぶりを交えて意志疎通しながら、給食で提供された焼き肉ライス、卵と青菜のスープを味わった。台湾の児童は弦楽演奏を披露した。一行は29日に帰国する。

  ●楽器演奏楽しむ 小松・南部中

 教育旅行で県内を訪れている台湾・台北市の光仁(こうじん)小の児童46人が28日、小松市南部中を訪れ、音楽を通じて交流した。

 歓迎式では石黒和彦教育長があいさつ。南部中吹奏楽部の35人は「ノーマル・マーチ」など、台湾の児童はバイオリンやチェロなどを用いて全9曲を奏でた。

 両校合同でディズニーメドレーなど息の合った演奏も披露し、思い出をつくった。台湾の児童の保護者も聴き入った。

えきねっと びゅう国内ツアー

加賀・白山・小松 ニュース

加賀・白山・小松
イベント

加賀・白山・小松
スポット