絵本を手にする荒井支部長(右)と村上さん(左)

絵本を手にする荒井支部長(右)と村上さん(左)

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合掌家屋紹介の英訳絵本 南砺・たいら郷土学習会制作

北日本新聞(2023年6月29日)

 外国人観光客に五箇山の文化を知ってもらおうと、南砺市平地域の「たいら郷土学習会」(池田美智子会長)が、合掌造り家屋をテーマにした英語版の絵本「五箇山のやね葺(ふ)き」を作った。ふき替え作業の歴史や大変さを、優しいタッチの絵と文章で紹介した。地域の土産店や宿泊施設などで販売し、売り上げの一部を観光振興に役立てることにしている。

 たいら郷土学習会は古里の語り部を目指し、1988年に活動を開始。歴史や文化について調べたことを写真とナレーションで紹介するスライド作品を作り、絵本化も進めてきた。

 五箇山のやね葺きは2012年に絵本になっている。英語版は南砺市国際交流員や地元在住の全国通訳案内士、山田雅子さんの協力を得て制作。19年までにほぼ仕上がっていたが、製本は新型コロナウイルスの影響で落ち込んだインバウンド(訪日客)が回復するまで見合わせていた。

 英語版のサイズは縦18センチ、横16センチで33ページ。屋根の材料となるかやのことや合掌造り家屋の成り立ち、昔は住民が助け合ってふき替え作業を行っていたことなどを分かりやすく紹介した。表紙に五箇山和紙を使い、和とじにした。

 300冊作り今月、市観光協会五箇山支部(荒井崇浩支部長)に寄贈した。南砺市東中江(平)のたいらマウンテンスクールで贈呈式があり、学習会を代表して村上幸子さんが荒井支部長に「ぜひ有効活用してほしい」と絵本を手渡した。荒井支部長は「五箇山ならではの手土産として販売していきたい」と話した。

 1冊1300円。地元の小中学校と市内の高校、図書館などには寄贈する。

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