二枚田さん(手前)といろりを囲む参加者=加賀市山中温泉大土町

二枚田さん(手前)といろりを囲む参加者=加賀市山中温泉大土町

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いろり囲み、山中温泉大土で再会  ワークキャンプ経験者

北國新聞(2023年7月3日)

  ●唯一の住民、二枚田さん方に

 加賀市山中温泉大土(おおづち)町で唯一の住民である二枚田昇さん(69)が2013年から始めた学生のワークキャンプにかつて参加した6人が1日、二枚田さん宅に集まり、いろりを囲んで旧交を温めた。二枚田さんは集落の維持へ若者と共に歩んだ10年を振り返り、キャンプ経験者たちは青春の思い出を刻んだ大土町にこれからも足を運び続けると誓った。

 加賀市南東部の山あいに位置する大土町は、重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)の「加賀東谷」を構成する集落の一つ。藩政期から林業や炭焼きで栄えたが、過疎が進み、現在は二枚田さんだけが住んでいる。

 二枚田さんは集落を維持していくために若者の力を借りようと、ボランティア団体「日本国際ワークキャンプセンター(NICE)」と協力し、13年7月に学生の受け入れを始めた。これまでに20カ国以上の学生約千人が滞在し、農作業を体験した。

 2週間ほどのキャンプでは、棚田の下草刈りや石垣の修復、畑の開墾などの作業を手伝う。豊かな自然と二枚田さんの人柄に魅了され、社会人になってからも訪れる人も多い。

 今月で10年の節目を迎えることから、第1回に参加した田尻茜さん(30)=兵庫県加美町=らが声を掛け、全国から20、30代の6人が集まった。6人は大土町産コシヒカリのおにぎりやイノシシ汁を味わいながら、互いに近況を語り合った。

 現在は夫とゲストハウスを営む田尻さんは「学生に気さくに声を掛ける二枚田さんの姿が印象に残っている。自分の子どもにも大土の暮らしの豊かさを伝えたい」と話した。

  ●「これからも故郷守る」

 15日からは今夏の学生受け入れが始まる予定で、二枚田さんは「10年も続けることができたのは奇跡だと思う。これからも若者が大土に集えるよう、故郷を守っていく」と力を込めた。

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