鹿野さんが描いた見附島を眺める中川さん=金沢市の「ギャラリー&カフェみやび」

鹿野さんが描いた見附島を眺める中川さん=金沢市の「ギャラリー&カフェみやび」

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記憶つなぐ「見附島」  珠洲地震2カ月、叔父の遺作展示 金沢の中川さん「能登に関心持って」

北國新聞(2023年7月5日)

 珠洲市で最大震度6強を観測した奥能登地震から2カ月、金沢市内のギャラリーで、珠洲のシンボルである見附島を描いた絵画展(北國新聞社後援)が開かれている。昨年6月に79歳で亡くなった鹿野節夫(かのせつお)さん(珠洲市飯田町)の遺作で、鹿野さんのめいに当たる中川裕美さん(60)=金沢市在住=が地震の記憶を風化させたくないとして企画した。中川さんは「絵を通じて能登に関心を持ってもらい、被災地の後押しにつなげたい」と願っている。

 鹿野さんの作品展「能登の海見附島展」は、金沢市の「ギャラリー&カフェみやび」で開かれている。鹿野さんは生前、バス運転手として働く傍ら、趣味で身近な草花や風景を題材に油絵や水彩画を制作しており、中でも能登の海が好きで、見附島をよく描いていたという。

 中川さんが、叔父の遺作を展示しようと決めたきっかけは、地震からの生活再建が進む珠洲を取り上げた5月29日付の北國新聞朝刊ラッピング紙面だった。

 地震の発生後、「離れた場所で暮らす自分にできることはないか」と考えていたという中川さん。空と海の青の中に力強くたたずむ見附島を目にし、叔父の絵を思い出した。

 有名な見附島の作品を並べることで、多くの人に能登のことを知ってもらいたい。そんな思いからさまざまな角度から見附島を描いた絵画を用意した。珠洲で焼酎メーカーを経営する鹿野さんの次男を応援しようと、焼酎の製造工程を紹介する写真も飾った。

 中川さんは、地震の影響で見附島の一部が崩落したことに「叔父も残念がっていると思う。少しでも長く島が残ってほしいと願っているはず」と話し、「絵を通じて、今も復興に向けて頑張っている能登のことをたくさんの人に知ってほしい」と話した。展示会は31日まで。

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