●台湾旅行社がツアー企画
能登空港に9、10月、台北からのチャーター便が計6便運航される見通しであることが10日、分かった。台湾最大の旅行会社が、奥能登国際芸術祭(北國新聞社特別協力)やのと鉄道乗車など奥能登の魅力を体験するツアーを造成する。台湾からの約600人が周遊を楽しむ予定で、今月7日で開港20周年を迎えた同空港と地震に見舞われた奥能登に活気を呼び込む。
台北チャーター便の運航は2019年5月以来、約4年半ぶり。台湾最大手の東南旅行社の企画で、中華航空(チャイナエアライン)が158人乗りの機材を飛ばす。ツアーは9月29日と10月3、7、11日から、いずれも4泊5日の日程で行われる。
チャーター便は、9月29日の台北発・能登行き便、10月7、11日の台北発・能登行き便と能登発・台北行き便、15日の能登発・台北行き便の計6便。9月29日からのツアー客が3日に台北に戻る際と、3日からの客が訪日する際は、能登空港ではなく他空港を利用する。
ツアーでは能登や富山、岐阜などを巡る3、4コースが計画されている。能登食祭市場や千里浜、奥能登芸術祭、輪島朝市のほか、のと鉄道の観光列車「のと里山里海号」への乗車、富山県の高岡大仏や立山黒部アルペンルートの見学を想定しており、長野県の上高地、岐阜県の飛騨高山、白川郷合掌造り集落なども訪問先に含まれる。
●金沢なども周遊
金沢市のひがし茶屋街、兼六園巡りを組み合わせたコースもある。七尾市和倉温泉の旅館「加賀屋」での宿泊が組み込まれており、料金は大人1人当たり27万~32万円となる。
能登―台北チャーター便を巡っては、4月に馳浩知事が訪台し、東南旅行社を訪れた際、同社側が芸術祭を組み込んだ旅行商品を造成する意向を伝えた。台湾ではコロナ禍を経て「日本の地方をゆっくり旅したい」というニーズが高まっており、同社は6月に県内を視察してチャーター便運航に向けて調整を進めていた。
石川県の担当者は「奥能登の魅力を知ってもらう良い機会になる。今後さらに能登への送客が増えることを期待している」と話した。