富山県高岡市の高岡古城公園で展示されている蒸気機関車(SL)が静岡県の大井川鉄道に譲渡されることを受け、「新たな旅立ちセレモニー」が10日、同公園で開かれた。車両の解体作業が始まり、訪れた市民や鉄道ファンは地域で長年親しまれたSLが静岡で有効活用されることを願った。
セレモニーには角田悠紀市長や大井川鉄道の鈴木肇社長が出席。角田市長は「SLの旅立ちを市民と共に見送りたい」、鈴木社長は「SLの歴史と技術を未来へ残すため、大切に利用したい」とそれぞれあいさつした。式典後、運転室を見学するための階段が取り外された。解体作業は9月中旬まで続く。
大井川鉄道は当初、譲り受ける車両を、観光列車として運行する自社SLの部品として活用する方針を示していた。鈴木社長はこの日、今後の見通しについて「解体後に詳細な調査を行ってから活用方法を決めたい。この車両をそのまま走らせるのが一番だが、それは非常に難しい作業になる」と述べた。