スズ製品の鋳型の原型について説明を受ける団体客=高岡市オフィスパークの能作

スズ製品の鋳型の原型について説明を受ける団体客=高岡市オフィスパークの能作

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産業観光、再び人気  北陸の企業 コマツ、来場過去最高 コロナ5類移行

北國新聞(2023年7月14日)

 北陸の企業で、工場の一般開放や体験を行う「産業観光」の需要が再び高まっている。新型コロナの5類移行を受け、訪日客を含め団体旅行が復活し、来場者がコロナ前の人数を超える企業もある。各社は増加する来場者に自社製品や働きやすさをアピールする。

 13日、高岡市オフィスパークの能作本社では、福井から訪れた団体客約100人がスズ製品の製作工程を見学した。

 同社の工場見学では、職人がスズ製品を研磨して仕上げる作業などを見て回る。鋳物作り体験も人気で、全体の半数以上は県外客と訪日客だという。

 コロナ下は工場見学を休止していたが、昨年夏に再開。学校、企業を中心に団体客は徐々に戻ってきた。担当者は「7、8月は土日、盆を中心に予約が埋まってきている。スズ製品の魅力を多くの人に伝えたい」と述べた。

 コマツが小松市に構える「こまつの杜(もり)」では、昨年度の来場者数が過去最高の7万8千人となった。今年度は8万8千人の来場を見込む。

 カジグループ(金沢市)では、かほく市で産業観光を主軸に置いた新工場「カジファクトリーパーク」の計画を進めている。製造現場を見学できる通路を設け、住民がイベントなどで憩える緑地も整備する。

 ウイスキー蒸留所の施設見学を行っているのは若鶴酒造(砺波市)だ。今年1~6月の来場者が昨年の2・3倍の1万800人となった。今春から台湾を中心に外国人団体客がどっと増えたといい、併設するレストランの利用者も含めると約1万5千人が訪れ、コロナ前の1万3千人を既に超えた。

 産業観光を実施する企業の一部からは、商品を生産する過程を公開することで、「企業イメージが高まり、商品に愛着を持ってもらえるメリットがある」との声が聞かれる。人手不足感が強まる中で、従業員の確保につながる可能性もあるとされ、産業観光は地元の誘客に貢献するとともに、自社アピールの場となっている。

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