不動三尊像を前に法要を営む僧侶=小松市の那谷寺

不動三尊像を前に法要を営む僧侶=小松市の那谷寺

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不動三尊像を御開帳 小松・那谷寺で修復後初 参拝者の間近で9月28日まで公開

北國新聞(2023年7月29日)

 小松市の古刹(こさつ)、真言宗那谷寺は28日、江戸初期の作とされる不動三尊像を公開した。不動明王と従者の衿(こん)羯羅(がら)童子、制多迦(せいたか)童子の木像で、参拝客は入れない国重要文化財の護摩堂に長く安置していた。傷みが激しかったため県文化財保存修復工房(金沢市)での修復を経て、初の御開帳となった。

 那谷寺によると、不動三尊像は作者不詳で、加賀藩3代藩主前田利常による寺の再興と同時期に作られたと考えられる。像について3年前、井上一稔同志社大教授から色彩が美しく精巧と評価を受けた。

 像は、僧侶が修行する護摩堂に安置され、すすなどで汚れていたため、今年5、6月に工房で汚れを落とし、補強するなどした。

 公開に合わせて28日に金(こん)堂華王殿(どうけおうでん)で営まれた法要では、6月に住職となった木崎馨雄(けいゆう)さん(52)や、父で前住職の木崎馨山(けいせん)管主(81)らが般若心経を唱えた。

 馨雄住職は、護摩堂建立から約400年、参拝者が間近で見られるのは初めてとし「那谷寺再建の歴史に思いをはせ、不動明王の慈悲に触れてほしい」と話した。

 不動三尊像は9月28日まで公開後、境内の宝物館に収蔵する。

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