福井県越前市岩本町の国登録有形文化財の吉田家住宅(旧東小林家住宅)で、ともに吉田家の子孫で日本画愛好家の渡辺さん、書家の林さんの姉妹が作品を展示している。古里への愛着を込めた温かみのある約20点を披露している。
吉田家住宅は、同住宅に暮らしていた後藤さんが保存に携わり、「綴(つづり)の家」の名で一般公開している。渡辺さんと林さんは後藤さんの姉で、訪れた人に楽しんでもらおうと作品を並べた。
林さんは、水彩画と書を組み合わせるなどした13点を展示。幼少期に親しんだモミジやツバキなどを絵の題材とし、若山牧水らの和歌を添えた。古里の情景を思い浮かべながらしたためた「四季の歌」の書も飾られている。
渡辺さんは「身近にあるもの」としてイチョウやアサガオ、ナスなどを題材にした日本画8点を展示した。実物に近い色合いを突き詰め、質感も忠実に表現されている。
開館日は第2、4週の金土日曜のみ。展示は8月末まで。問い合わせは綴の家=電話0778(42)0075。