●訪台の市長、受け入れ強化
珠洲市全域を会場に9月に開幕する奥能登国際芸術祭(北國新聞社特別協力)で、台湾をはじめ、中国語圏、英語圏の団体ツアー客向けにガイドが配置されることになった。芸術祭のPRで訪台した実行委員長の泉谷満寿裕市長が2日、取材に「台湾からの誘客に手応えを得た。受け入れ態勢を整えたい」と述べ、全国的に増大するインバウンド(訪日客)需要の取り込みに意欲を示した。
泉谷市長は7月30日~1日に訪台し、31日に台北市で開かれたイベントで芸術祭を売り込んだ。
イベントには現地の報道関係者や、情報発信に影響力を持つ「インフルエンサー」ら約50人が参加した。インフルエンサーは交流サイト(SNS)で多数のフォロワーを持ち、台湾での芸術祭の情報拡散や認知向上に効果が見込める。
泉谷市長は「インフルエンサーの情報をきっかけに、新たに珠洲に足を向けようとするツアー客が増えることに期待したい」と語った。訪日客向けに中国語や英語で作品、名所を紹介できるガイドを配置する考えで、実行委は外国籍の住民ら12人を「翻訳チーム」として訪日客受け入れを準備している。市外からも、多言語に対応できるスタッフを集める予定だ。
訪日客向けガイドは、市内を巡る「アートバス」での配置も検討する。
芸術祭の会期は9月23日~11月12日で、実行委は木曜を除く毎日、地元住民がガイドを務める「すずアートバス」を運行する。道の駅すずなりを発着点に「岬めぐり」(三崎―日置―大谷)「里山里海」(若山―大谷)「歴史探訪」(正院―蛸島―三崎)「内浦堪能」(宝立―上戸―飯田)の4コースを用意。地元住民が作品を解説したり、観光案内したりする。乗車には予約が必要となる。
●金沢発着のバス運行
実行委は会期中の土日祝日、金沢駅と道の駅すずなりを結ぶ「金沢発着アートバス」を運行する。二次交通強化の一環で、「すずアートバス」と組み合わせて珠洲市内でのアート巡りを楽しんでもらう。