9月開幕の奥能登国際芸術祭(北國新聞社特別協力)に向け、フリーのバスガイドとインフルエンサーを対象としたモニターツアーが3日、行われた。貸し切りバス事業の「めだか交通」(珠洲市)が金沢や南加賀から12人を招いた。会期中に珠洲を訪れるツアー客の案内に生かしてもらったり、SNS(交流サイト)で情報を拡散してもらったりして芸術祭の魅力を伝える。
一行は珠洲市大谷町の民俗博物館「スズ・シアター・ミュージアム」で、市が隣接地に整備中の「潮騒(しおさい)レストラン」を見学した。
国際的に活躍する建築家の坂茂(ばんしげる)さんが設計を手掛けた。全面ガラス張りで、9月23日の芸術祭開幕に合わせて開放的な施設がオープンする。高台から日本海の眺望を楽しむことができ、一行は「絶景カフェ」の完成に期待を膨らませた。
レストランが立地する外浦地区は飲食店が少なく、過去の芸術祭では、昼食時に発生する「ランチ難民」が課題に上がった。
芸術祭でバスガイドを務めたことがある白山市内の40代女性は「デザインも景色も素晴らしい。ツアー客はここでゆっくりくつろいだ後、作品鑑賞に向かうことができる」と話した。
一行は過去の芸術祭で人気の高かった塩田千春さんの「時を運ぶ船」(旧清水保育所)、山本基さんの「記憶への回廊」(旧小泊保育所)も訪れた。蛸島町の鍵主工業で埋蔵量が日本一とされる珪藻土(けいそうど)に触れ、泉谷満寿裕市長と懇談した。