狂言「咲嘩」で会場の笑いを誘った人間国宝の野村万作さん(右)ら=8月6日夜、福井県越前市粟田部町の花筐公園

狂言「咲嘩」で会場の笑いを誘った人間国宝の野村万作さん(右)ら=8月6日夜、福井県越前市粟田部町の花筐公園

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人間国宝の能、狂言に感嘆 5年ぶり「花筐薪能」 越前市

福井新聞(2023年8月7日)

 世阿弥の作とされる能「花筐(はながたみ)」にちなんだ第14回花筐薪能(福井新聞社共催)が8月6日、福井県越前市粟田部町の花筐(かきょう)公園で開かれた。かがり火がたかれた幽玄な雰囲気の中、野村万作・萬斎さん親子ら一流の狂言、能楽師が出演し、観客約800人を魅了した。

 能「花筐」が同地区ゆかりの継体天皇を題材としていることにちなみ、地元の各種団体でつくる実行委員会が隔年で開いている。今回は新型コロナウイルスなどの影響で、5年ぶりとなった。

 人間国宝の野村万作さんは「咲嘩(さっか)」、萬斎さんは「鈍太郎(どんたろう)」をそれぞれ披露。万作さん演じる太郎冠者は主人に命じられ、主人の伯父を呼びに行くも、すっぱ(詐欺師)を連れてきてしまう。滑稽な掛け合いとしぐさで観客の笑いを誘った。

 佐野由於さんによる「熊坂」は、盗賊の首領・熊坂長範が武芸の達人・牛若丸に討たれた無念を語る夢幻能。両者の対決が見せ場で、熊坂がなぎなたをふるう激しい戦いに観客は引き込まれていた。人間国宝の大坪喜美雄さんは舞囃子(ばやし)「松風」を演じた。

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