太田さん(左奥)らの手で描かれる武者絵=能登町鵜川の菅原神社

太田さん(左奥)らの手で描かれる武者絵=能登町鵜川の菅原神社

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加賀友禅で武者絵 26日の能登・にわか祭彩る

北國新聞(2023年8月18日)

 26日に能登町鵜川で4年ぶりに通常開催される「にわか祭(まつり)」に向け、にわかと呼ばれる奉燈(ほうとう)を飾る武者絵が加賀友禅の技法を生かして作られた。鵜川出身の加賀友禅作家太田正伸さん(60)=金沢市高尾3丁目=が全体の配色と着物の模様を担当しており、友禅の豊かな色合いや繊細な文様で祭礼を盛り上げる。

 にわか祭は不漁と海難事故が続いた約400年前、武者絵が描かれたキリコを住民が担いで祈願したのが始まりとされる。新型コロナの影響で、にわかの巡行は2020年から中止されていた。

 太田さんが携わったのは出身地の本町(ほんまち)町内の武者絵で、今年は5メートル四方の和紙に戦国武将の武田信玄を描いた。作業は8月上旬に鵜川の菅原神社で始まり、協力を受ける他町内の絵師が墨で染めた「紺紙(こんがみ)」を貼って絵の輪郭を形作った。

 14日に帰省した太田さんは加賀友禅のぼかしの技法を取り入れ、着物などの模様を立体的に描いた。この後、住民とともに赤や青、黄色など明るい色のポスターカラーを塗り、16日に完成させた。

 本町町内は全14軒で、にわかを出す全9町内で最も人口が少ない。武者絵を描く絵師も長年不在で、前回19年の祭礼は、にわかを出せなかった。本町総括責任者の室田賢成さん(56)は「太田さんや他町内の協力のおかげで、5年ぶりに出せそうだ」と感謝した。

 太田さんは祭礼の準備で帰省する地元出身者を増やしたいとし「ふるさとの祭りに貢献できる喜びを感じている」と話した。

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