南砺市福光美術館の企画展「棟方志功生誕120年 二菩薩釈迦十大弟子(にぼさつしゃかじゅうだいでし)への道」が19日、同館で始まった。板画家の棟方志功が旧福光町に疎開する以前、画業の土台となった10作173点を展示している。10月16日まで。
青森から上京し、30代だった棟方が下積み時代の1935~40年に手がけた品を集めた。目玉の「二菩薩釈迦十大弟子」(39年)は長方形の計12枚から成るびょうぶ作品。棟方最初の代表作とされ、力強さと美しさの両面を感じられる。
白と黒を生かし、対象を模様化して描くスタイルを確立させた「萬朶譜(ばんだふ)」(35年)や、和紙の裏側から着色する手法、裏彩色(うらざいしき)を初めて本格的に取り入れた「観音経曼荼羅(まんだら)」(38年)なども並ぶ。
この日は棟方の孫で棟方研究家の石井頼子さんがギャラリートークを行い「福光でさらに成長する棟方の骨格をつくった時代を感じてもらいたい」と語った。
開会式で田中幹夫市長、片岸昭二館長らがテープカットした。
火曜休館(9月12日は開館)。北日本新聞社後援。