●女装の男衆、豪快に
輪島市中心部の4地区で連続して祭礼が営まれる輪島大祭が22日、奥津比咩(おきつひめ)神社大祭(海士町)で幕を開けた。神社近くの袖ケ浜海岸で4年ぶりに海中渡御が繰り広げられ、女装した漁師町の若い衆が神輿(みこし)を担いで豪快に海を練り歩き、住民は大漁と海上安全の願いを込めた。
化粧をし、派手な腰巻きを身に着けた男衆は神輿を担いで勇ましく沖へと進んだ。浜辺から大勢の子どもたちが神輿に結ばれた手綱を引っ張って戻し、神輿は海と浜を何度も行き来した。4年ぶりの興奮が地区を包み、見物客が熱気に酔いしれた。
海中渡御は、かつて命綱一本で海に潜った海女漁を模したとも言われており、舳倉島の神が宿る神輿が海にいる時間が長いほど、豊漁になるとされる。漁師で、海士町青年団の中村大団長(38)は「久しぶりに大好きな地元の祭りができて最高や」と話した。
輪島大祭は奥津比咩、重蔵(河井町)、住吉(鳳至町)、輪島前(さき)(輪島崎(ざき)町)の4神社で順に祭礼が営まれ、神輿やキリコが勇壮に練り歩く。