和紙に本金箔を施し再現したきらびやかな折形=9月15日、福井県越前市の紙の文化博物館

和紙に本金箔を施し再現したきらびやかな折形=9月15日、福井県越前市の紙の文化博物館

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「折形」奥深き世界 日本の美意識伝える150点 越前市

福井新聞(2023年9月20日)

 物やお金を和紙で包んで渡す日本独自の礼法「折形(おりがた)」を紹介する「和紙で包む日本の美 折形礼法展」が、福井県越前市の紙の文化博物館で開かれている。折形の再興に取り組む山根折形礼法教場(東京)の宗主山根一城さんが主催。膨大な史料をひもとき、越前和紙の職人の協力も得て再現した折形など、初公開を含む約150点を展示している。

 折形は室町時代に体系化され、上級武家社会で門外不出の礼法として守り継がれてきた。江戸時代以降、庶民にも広まり、祝儀袋やのし紙、遊びの折り紙など現代も残る紙文化の源流となったとされる。

 展示では、将軍家の婚礼の贈り物を再現し、和紙に本金箔(きんぱく)を施したきらびやかな折形をはじめ、「世界に類を見ない包む技術の究極」(山根さん)の数々を紹介。包む物の形状や数に応じて厳格に定められた折形の精神性や、原料により色や質感が変わる和紙の魅力を、緻密な再現によって解き明かしている。

 山根さんは折形を通し、「忘れられた日本の美意識や価値観を伝えたい」と話していた。

 同展は11月6日まで。10月22日午後2時からは、越前市の卯立の工芸館で山根さんの特別講演が開かれる。問い合わせは紙の文化博物館=電話0778(42)0016。

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