長野市大岡の「長野大岡ひなたダリア園」で、約200種類あるダリアの花が見頃を迎えている。地元の待井洋子さん(58)が園長として手入れなどをする。標高約820メートルの同園で、わが子のように大切に育てたダリアが北アルプスと共演している。
待井さんは若い頃、花店で見たダリアの美しさに心を引かれ、いつか自分で育ててみたいと思っていた。結婚、子育て、親の介護などが一段落した2年前、自宅の庭にダリアの球根を四つ植えた。手間をかけた分、きれいに咲いたのがうれしく、昨年は畑だった場所に約100株のダリアを植えた。
特に大きな宣伝などはしなかったが、地元の人たちの口コミで多くの人が訪れた。ダリアを見た人たちは種類の多さに驚いたり、ぱっと顔が明るくなったり。そんな姿を見て、さらに規模を広げることにした。
今年は1500平方メートルの敷地に500株を植えた。白と紫で花の形が球状の「淡雪てまり」や、人の顔と同じくらい大きい真っ赤な「レッドマンモス」など種類は多様。花びらの形、色、大きさにそれぞれ個性があるが、待井さんは「みんな娘たちのようで特別」と愛情を込める。
ダリアの球根はインターネットで購入したほか、山形県や東京都内のダリア園へ買い付けに行った。花は全て待井さんが世話をし、朝日が昇りきらない午前5時半ごろから毎日作業をする。草取りや花の支柱立てなどは地元有志にも手伝ってもらっている。
県内のほか、埼玉県などからも花好きの夫婦や写真家らが訪れる。ダリア園をきっかけに、空気のおいしさ、野菜の甘み、アルプスの雄大さなど、大岡の良さを多くの人に知ってもらいたいと願う。
ダリアを育てて3年目。毎年訪れる人が新たな楽しみを見つけられるよう、来年以降も品種や敷地を少しずつ拡大するつもりだ。待井さんは「たくさんの人が大岡に足を運んでほしい」と話している。
開園は10月下旬ごろまで。午前9時~午後5時(10月は4時まで)。入園料は大人400円、中学生以下200円。