2018年に行われた戸出野神社の「幌武者行列」

2018年に行われた戸出野神社の「幌武者行列」

富山県 高岡・氷見・射水 祭り・催し

コロナ後も再開できず 約320年続く高岡の戸出野神社の幌武者行列 、少子高齢化 担い手不足

北日本新聞(2023年9月26日)

 戸出野神社(高岡市戸出町)で、約320年前から続くとされる秋季例大祭の「幌武者(ほろむしゃ)行列」が今年、中止されることが決まった。コロナ禍で中止していた秋季例大祭は4年ぶりに実施するものの、「幌武者行列」は参加する子どもが集まらず、再開を断念した。同神社奉賛会の角玄富雄会長は「長年続く行事を廃止にはしたくない」と話す。

 行列が始まったのは1697(元禄10)年と伝わる。五穀豊穣(ほうじょう)を願い、10月の第2土曜に開かれる伝統行事で、子どもたちはかぶとやよろいを身に着け、豊臣秀吉や源義経、巴(ともえ)御前など、歴史上の人物に扮(ふん)して町内を練り歩く。

 祭りには神社周辺の10町が参加する。そのうち、6町に決められた役柄があり、その衣装が各町で代々引き継がれている。コロナ禍以前は小学生約30人が参加していたが、今年はほとんどの町で人数がそろわず、行列の中止が決まった。

 少子高齢化を背景に、行列はこれまでも担い手不足に直面しており、女児の参加を始めたり、少人数でも運ぶことができるようにみこしに台車を取り付けたりするなど、さまざまな工夫をしてきた。奉賛会の木下和彦副会長は「コロナ以前は、各町内から親戚縁者を集めてでもやっていた」と振り返る。

 元奉賛会副会長の本田孝夫さんは「行列は県内でも珍しい行事なので続けてほしい」と願う。来年は町外にいる住民の親戚に呼びかけて、参加者を確保するつもりだ。角玄会長は「来年からはやり方を変えないと存続は難しい」と話した。

えきねっと びゅう国内ツアー

高岡・氷見・射水 ニュース

高岡・氷見・射水
イベント

高岡・氷見・射水
スポット