富山県高岡市の秋の風物詩「高岡万葉まつり」が6日に開幕し、万葉集全4516首を3昼夜かけて歌うメイン行事「万葉集全20巻朗唱の会」が高岡古城公園で始まった。水濠に設けられた特設舞台で、市民らが8日まで朗々と歌い上げる。
高岡は、奈良時代の万葉歌人、大伴家持が越中国守として赴任した万葉集ゆかりの地。万葉集に親しんでもらい、高岡の魅力を発信しようと、市や北日本新聞社などでつくる実行委員会が毎年祭りを開いている。
日中は会場朗唱、夜間は動画朗唱を行い、昨年より会場朗唱の時間を拡大。県内外の約800組がリレー形式で歌い継ぐ。
オープニングアトラクションでは、可西舞踊研究所の生徒やかたかご幼稚園・保育園の園児が、万葉集にちなんだ踊りや歌を披露した。万葉集にゆかりのある近隣自治体の代表者らが地元の歌を朗唱。万葉集研究の第一人者で高志の国文学館前館長の中西進さんが第1巻の1、2首目を朗唱し、一般の参加者が次々と舞台に上がった。
夜間の公園内をキャンドルでともす「燈火(ともしび)の路(みち)」を4年ぶりに復活。東洋通信スポーツセンター前の飲食コーナーは新型コロナウイルス禍前の規模に戻した。