富山県内の曳山(ひきやま)まつりを締めくくる射水市の大門曳山まつりは8日、同市大門地域で行われた。4基の曳山が車輪をきしませながら、日中は華やかな「花山」、夜は幻想的な「提灯(ちょうちん)山」となって一帯を巡行した。
花がさを飾り付けた西町、中町、田町の曳山3基が午前9時50分ごろに庄川右岸の大門神社前を出発し、大門大橋を渡って枇杷首(びわくび)の曳山と合流。堤防沿いにある枇杷首神社前でおはらいを受けた後、4基が連なって大門大橋を渡り右岸に向かう様子を、見物客が写真に収めていた。日没後は花がさの内側に提灯をともして練り回した。
ここ数年は新型コロナウイルスや荒天の影響で行事の一部を省略することが続いた。今年は5年ぶりに子ども曳き、4年ぶりに4基そろっての提灯山を実施。長年短縮していたルートも戻した。大門曳山連合保存会の橋本健一会長(56)は「全てをこなせて最高の気分。参加者の表情も明るい」と話した。
まつりは大門神社と枇杷首神社の秋季例祭。1872(明治5)年ごろに町の発展を願って始まったとされる。4町が曳山を受け継ぎ、市の有形民俗文化財に指定されている。