15日に射水市海王町(新湊)の海王丸パークで予定されていた帆船(はんせん)海王丸の全29枚の帆を張る「総帆展帆(そうはんてんぱん)」は、雨予報のため中止されることが14日決まった。悪天候や猛暑の影響で中止や規模縮小が続き、本年度はまだ実現していない。次回の11月3日が最後のチャンスとなり、伏木富山港・海王丸財団は天候に気をもんでいる。
総帆展帆は、商船学校の練習船として地球50周分を航海した海王丸の現役時代の姿を発信しようと、同財団が1990年から実施。同財団によると、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止した2020、21年を除き、毎年実現してきたという。
本年度は15日を含め、これまでに9回の総帆展帆が計画された。しかし、悪天候に見舞われる日が多く、帆を張ることができたのは3回にとどまる。十分な作業人数がそろったにもかかわず、猛暑の影響で帆数を絞ったケースもあった。
大藤高広船長は「総帆展帆を実施したい気持ちは当然あるが、作業を担うボランティアや乗組員の安全を第一に考え、事故のないよう運営していきたい」と話す。