訪日客向けに作成した飲食店マップ=金沢市内

訪日客向けに作成した飲食店マップ=金沢市内

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訪日客増で対応充実 石川の宿泊施設、飲食店 お勧め店パンフ、多言語スタッフ検討

北國新聞(2023年11月7日)

 石川県の宿泊施設や飲食店が、インバウンド(訪日客)の急増を受け対応を充実させている。金沢市旅館ホテル協同組合は、お勧めの飲食店を紹介する外国人向けパンフレットを作った。百貨店では売り上げが伸び、多言語に対応したスタッフ導入を検討する飲食店も。小松空港では韓国・ソウル便、中国・上海便の運航再開が見込まれており、関係者は客足の伸びに期待を寄せている。

 同組合が作った飲食店パンフレットはA3判の四つ折りで、市内28カ所の飲食店を紹介している。組合加盟の36旅館・ホテルに行ったアンケートで、外国人の受け入れ態勢が整っているとして推薦された店舗を集めた。

 各店舗の営業時間や連絡先、料理の予算のほか、英語メニューの有無、英語が話せるスタッフがいるかなども記載した。

 同組合によると、宿泊施設では外国人客から「おいしい飲食店を教えてほしい」との質問が多く、施設のお勧め情報を共有することで訪日客のもてなしを強化する。パンフレット5千部を各宿泊施設や観光案内所に配置した。担当者は「金沢の美食を訪日客に楽しんでもらいたい」と話した。

 旅館や飲食店など5店舗を展開する浅田屋(金沢市)では、コロナ前に約4割だった宿泊客に占める外国人の割合が、ここ1年で6割近くまで上昇した。

 長町武家屋敷跡に近い「六角堂香林坊せせらぎ通り店」では平日昼、外国人で席が埋まる日も出ているという。

 同組合理事長も務める浅田久太社長は「北陸新幹線金沢開業後とは比にならないほど外国人客が多くなってきた」と述べ、外国語で対応できるスタッフを増やす方針を示した。

 金沢市内の百貨店でも外国人客の来店が増えている。

 香林坊大和では、10月に免税手続きした分の売り上げが前年同月と比べて3・7倍となった。化粧品や高級ブランド品、婦人服、紳士服を購入する客が多い。

 金沢エムザでも、免税手続きした分の売り上げが10月は前年同月の10倍以上に伸びた。化粧品や伝統工芸品、台所用品、アウトドア用品などが売れている。

 同館は外国人増に合わせ、館内に掲示しているフロアマップに英語表記を加えた。担当者は「夜に食堂街を訪れる外国人客もかなり多くなってきた」と手応えを語った。

 北陸信越運輸局によると、石川県は4~6月、外国人延べ宿泊者数がコロナ前の2019年同月を上回っていた。

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