源氏物語の1帖ずつを絵画で表現した市民らの作品が並ぶ展示会=福井県越前市武生公会堂記念館

源氏物語の1帖ずつを絵画で表現した市民らの作品が並ぶ展示会=福井県越前市武生公会堂記念館

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源氏物語54帖、越前和紙を絵画に 武生公会堂記念館などで11月26日まで展示

福井新聞(2023年11月16日)

 福井県越前市ゆかりの紫式部が書いた源氏物語の全54帖の1帖ずつを、市民らが越前和紙で絵画に描いた作品の展示会「越前源氏物語 五十四人の物語」は11月26日まで、同市の武生公会堂記念館と卯立の工芸館で開かれている。式部が後世に残した恋愛長編を作者それぞれが解釈し、多様な画材で表現している。

 紫式部が主人公となる来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」に合わせ、市いまだて芸術館が企画。市内外から応募があった16~91歳の参加者54人が1帖ずつを描いた。10月から各施設で分散展示され、現在は卯立の工芸館に1~34帖、武生公会堂記念館に35~54帖が並んでいる。

 源氏物語を学んだ参加者が担当する帖を読み込むなどして登場人物の心情に思いを寄せ、イメージを膨らませて各場面を描いた。色鉛筆画、アクリル画、水墨画、ちぎり絵などそれぞれ得意な画材を使って仕上げている。

 51帖の「浮舟」を描いたのは、水彩画家の上野谷憲示さん(同市)で、日野山と日野川を背景として千年前の武生に思いをはせながら制作したという。39帖の「夕霧」は、フィリピンから応募した木版画アーティストによる作品。高校生たちが若い感性を生かした力作も披露されている。

 パネルには帖ごとのあらすじと合わせ、「登場人物の心の中が交錯している心理劇を見ているようだった」「今まで以上に源氏物語に関心を持つようになった」と作者の感想がつづられている。

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