海外から愛好者の来訪が相次いでいる太鼓の泉響和館=白山市水島町

海外から愛好者の来訪が相次いでいる太鼓の泉響和館=白山市水島町

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「ワダイコ」人気  欧米から南米から豪州から... 白山の浅野太鼓

北國新聞(2023年12月14日)

 浅野太鼓文化研究所(白山市)が同市水島町に設けた和太鼓音楽の拠点が、外国人の人気を集めている。新型コロナの収束もあり、11月以降、欧米、南米、豪州から来訪が相次ぎ、近隣の美川地区に建つ古民家ホテルに泊まり、連日訪れる熱心な人も。体験教室への参加や意匠に興味を持ち和太鼓を鑑賞する外国人でにぎわう施設は、インバウンド向けの新たな観光スポットとなっている。

 2021年11月に開所した「太鼓の泉響和(きょうわ)館」は、100台以上の太鼓を備えたスタジオがある。演奏家が新曲の創作や練習に活用するほか、浅野太鼓文化研究所が長年収集してきた太鼓、民俗文化関係の書籍、映像など約千点に上る資料を公開している。

 11月は、太鼓の演奏活動を行うドイツ人の女性3人グループが「本場の響きを体験したい」と訪れ、施設で実施しているレッスンを受講。その後、米国や英国、オーストラリア、ブラジル人が訪れ、体験教室に参加した。

 研究所の浅野昭利理事長によると、施設に近い美川地区に4年前、古民家を改修したホテル「B&B美川」があり、コロナの収束を受けて宿泊外国人の太鼓体験者が目立つ。中には連日参加し、太鼓の魅力に取りつかれる人もいる。

 「外国人の興味を引いているのは音だけにとどまらない」。浅野理事長はこう話す。特に外国人が関心を寄せるのは、昨年、海外向けに製作した「檜(ひのき)細工太鼓」。白山市内で継承される県指定伝統的工芸品の檜細工を太鼓を締め付ける「たが」の部分に施して胴を装飾した。

 赤や紫色に染めた檜も使っていることから、鮮やかなデザインに見入る外国人が多く、昨年秋にはオーストラリアの太鼓イベントで実際の演奏にも使われ、好評を得た。

 浅野理事長は「海外からの来訪が増えていることはうれしい。音楽として、伝統工芸として、白山発の和の太鼓文化を伝えていきたい」と話した。

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