特許庁の地域団体商標に登録されている越前焼の「地域団体商標カード(地団カード)」の第2弾が完成した。福井県越前町小曽原の直売所「越前焼の館」で1月5日から、商品を購入した人を対象に2千枚限定で無料配布している。
同庁が2006年に導入した地域団体商標制度は、各地の産品について事業者の信用維持を図り、地域ブランドの保護による地域経済の活性化を目指すもの。カードは外郭団体の独立行政法人「工業所有権情報・研修館」が19年度から発行している。
越前焼は、越前焼工業協同組合が22年に商標登録し、翌年には第1弾となる地団カード2千枚を配布し、人気を集めた。
第2弾のカードは縦約9センチ、横約6センチ。表面は越前焼初の産地統一ブランド「土ごころ」シリーズから、司辻光男さん(光窯)と前田和伸さん(国成窯)が制作した焼締めのビアカップ3種の写真を掲載。素朴で温かみのある越前の土の風合いを伝えている。また、裏面には第1弾と同様、越前焼が日本六古窯の一つに数えられ、平安時代末期から続く歴史ある焼き物であることなどを解説している。
同組合の橋本直視事務局長は「越前焼の魅力や歴史が詰まったカードに仕上がっており、たくさんの人に手に取ってもらえたら」と話している。
地団カードの発行と併せて、特許庁広報室の公式ユーチューブチャンネル「JPOちゅーぶ」では、同庁職員が越前焼の魅力を紹介する動画を公開している。