冬に淡いピンク色の花を咲かせる「啓翁桜(けいおうざくら)」の出荷が9日、南砺市小又(福光)で本格的に始まった。温泉水を利用して出荷時期を調整しているのが特徴で、昨季より1300本多い5300本の出荷を目指している。
標高が高く寒冷な地での栽培に適した品種で、地元農家でつくる「いぶき会」(杉浦良夫会長)が2013年から栽培。現在は6人が約90アールで育てている。
JA福光の保冷庫で保管して休眠状態にしていた枝を温泉施設「ぬく森の郷(さと)」の温泉水に浸し、花芽を目覚めさせる。昨年末に正月用として出荷を始め、9日から取扱量が増えた。
この日はメンバーがハウス内で枝を切り、梱包(こんぽう)するなどした。ぬく森の郷や道の駅福光のほか、金沢の市場にも出荷する。事務局長の青木力さん(78)は「毎年少しずつ出荷を増やしていきたい」と話している。出荷は2月下旬まで続く予定。