小布施町中心部の皇大(こうたい)神社一帯で14日、恒例の「安市」が2日間の日程で始まった。境内にはだるまや熊手などの縁起物を扱う露店が並び、本殿に参拝者の長い列ができた。訪れた人たちはそれぞれの無病息災や商売繁盛を願う一方、能登半島地震の被災者の境遇に思いをはせ、早期の復興を祈る声も聞かれた。
安市は、物資の集散地として栄えた江戸初期の小布施で開かれた「六斎市」の名残とされる。神社周辺では射的やおでん、焼きそばなどの露店が軒を連ね、豚汁や甘酒の振る舞いもあった。
夫と訪れた長野市の女性(68)は毎年、安市でだるまを購入しているという。参拝を済ませ、「地震で被災された方々を思うと心が痛む。一日も早く平穏が戻ってほしい」と話していた。
15日は、新型コロナ禍を経て4年ぶりとなる稚児行列が行われる。境内では午後3時から、無病息災を願う「火渡りの神事」がある。