地震で穴水町特産「能登かき」の出荷を見合わせていた同町川尻の漁業、齋藤義己さん(42)=石川県漁協穴水支所かき部会長=が26日、初出荷を迎えた。SNS(交流サイト)で窮状を伝えたところ、全国各地の約100人から注文が入り、齋藤さんは「半数は新規のお客さまで、とてもありがたい。少しでも前に進んで安心したい」と話した。
齋藤さんによると、地震で養殖用のイカダ1基が流出した。カキは水揚げできる状態だったものの、全国に発送するには七尾に持ち込まなければならず、移動に時間がかかるため断念していた。
しかし、「いつでもいいから送って」という注文が多く寄せられたことを受け、週に1度、カキを七尾まで運ぶことに。今季初めての出荷は殻付きカキ約80個が入った一斗缶10個となった。
町内では、作業場が倒壊したり、桟橋が壊れたりして出荷できない養殖業者も目立ち、齋藤さんは「ボランティアの力を借りて再建するなどカキ部会として対応を考えたい」と語った。