酒蔵「西之門よしのや」に展示した郡司さんの空間芸術作品

酒蔵「西之門よしのや」に展示した郡司さんの空間芸術作品

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長野で「もんぜん千年祭」始まる 歴史とアートを混然一体に

信濃毎日新聞(2024年2月8日)

 長野市の善光寺門前で7日、一線で活躍する県内外の現代美術家の作品を集めた「もんぜん千年祭」が始まった。清泉女学院大(長野市)や長野美術専門学校(同)の教員、まちづくりに関わる市内の経営者らでつくる実行委員会が主催。中世以来、庶民の救いの場だった善光寺の門前にある6カ所の建物を会場に、多彩なアートと出合う場を提供している。

 善光寺大勧進紫雲閣に展示した長野市の小山利枝子さん(68)の「Lotus(ロータス)」は縦約2・3メートル横約4・4メートルのキャンバスに匂い立つような質感のハスを描いた。東日本大震災への鎮魂を込めた作品で「祈りの場である善光寺での展示は念願だった」と小山さん。下諏訪町出身の大阪大中之島芸術センター准教授中村恭子さん(42)は和室の会場に掛け軸を展示し「ぜひ畳に座って鑑賞を」と呼びかける。

 御代田町のナカムラジンさんが善光寺寿量院の仏間に展示した「自在屏風(びょうぶ)」は、現代的な仏画十数点を器具でつなぎ、びょうぶのようにした作品。くぎを打てない会場に合わせて工夫した。早稲田大理工学術院教授の郡司ペギオ幸夫さん(64)は酒蔵「西之門よしのや」(西之門町)に空間芸術作品を展示している。

 いずれの展示も、千年以上前に建立され、さまざまな宗派や住民を受け入れてきた善光寺の歩みをイメージしたという。芸術と暮らしの接点を増やそうと、来年以降の継続も目指す。実行委員長の長野美術専門学校副校長、松本直樹さん(42)は「息の長い、地に足がついた展示に育てたい」としている。

 13日まで。映画上映など一部を除いて入場無料。スケジュールなどの確認はホームページ=QRコード=で。

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信濃毎日新聞デジタル https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024020700872
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