促成栽培により冬に咲く啓翁(けいおう)桜の出荷が、福井県大野市矢で本格化している。淡いピンクのつぼみをつけた枝が順調に育ち、一足早い春を届けている。
地元の住民グループ「矢環境緑化実行委員会」が15年ほど前に地域活性化のために栽培を始め、会員の今村さんが引き継いでいる。地区内の休耕地に植えた約150本の株から長さ120センチ、80センチ、50センチの枝を切り出し、室温18度の温室で2~3週間ほど保管。つぼみが膨らみ花が咲き始めたものを出荷している。
今年、中心になって作業する妻は「美しいピンクの花は心が落ち着く。桃の節句や卒業式に飾り付けて季節を感じてほしい」と話す。4本の枝を1束にし、300~500円ほどで3月上旬まで市内の平成大野屋やねんりんの里本店、ヴィオ店に出荷する予定。