東御市滋野乙の中屋敷区と中屋敷公民館は12日、子どもの健やかな成長を願う「初(はつ)午(うま)」の行事を開いた。未就学児26人とその親、区の役員ら約70人が参加。住民手作りのわら馬12体を子どもらが引いて道祖神まで練り歩き、この1年に病や災いが訪れないよう祈った。
行事は半世紀以上前に途絶えていたが、「新旧住民の交流の場にしよう」と昨年復活して2年目。参加者は公民館を出発すると二手に分かれ、雪道を踏んで集落の東西の端にある道祖神を目指した。子どもたちはわら馬をくくり付けた台車を交代で引っ張ったり、友達と駆けっこをしたりして、にぎやかに練り歩いた。
参加者は道祖神に着くと、石碑に指で小麦粉を塗って「お化粧」を施してから参拝し、住民が手作りした「すあま」を食べた。初めて参加した神林奏多ちゃん(5)は「(すあまが)おいしかった」と笑顔。父で会社員の広樹さん(34)は「親子で伝統行事を体験できて良かった」と話した。
田口智弘区長(68)は「子どもたちの活気が感じられる良い風景だった。来年はお年寄りにも声をかけ、見に来てもらいたい」と喜んでいた。