5日は二十四節気の一つで、冬ごもりしていた虫たちが土から姿を現すとされる「啓蟄(けいちつ)」。長野市七二会小坂地区のフクジュソウ群生地では、みぞれのような雪がちらつく中で花が開き、その周りで虫がうごめいていた。
南に向かって花を伸ばすフクジュソウの周りでは、クモやコオロギが地面を歩いたり跳ねたり。ただ、動きは緩慢だ。黄色い花びらの上に乗った1匹のクモは、しばらくの間動かなかった。
1ヘクタールほどの斜面に約5万株が植わる。整備を行う小坂福寿草群生地愛護会の北島和彦事務局長(72)によると、花は2月末に咲き始めた。今月中旬に見頃を迎え、4月上旬まで楽しめる。27日まで、フクジュソウの苗などを販売する「福寿草まつり」を開催中。「急斜面に密集して咲く光景を楽しんでほしい」と呼びかけている。