穴水町のカキを食べて被災地を応援しようと、「能登穴水復興支援!ジャンボかきまつりin小松」が24日、小松駅前市民公園で開かれる。町恒例の「雪中ジャンボかきまつり」が中止となる中、被災した養殖業者から仕入れた約1万個を販売し、収益の一部を町に贈る。4月7日には加賀温泉駅前で開催し、北陸新幹線敦賀延伸後の誘客も図る。
穴水町鹿波出身の会社社長鳥竹大樹さん(39)=小松市本江町=らが実行委員会をつくり、準備を進める。鳥竹さんは1月上旬から被災地で炊き出しを行っており、ほかの支援策を模索する中、食のイベントを通じてふるさとを応援することにした。
石川県漁協穴水支所によると、町内の養殖業者15軒の中には作業場が全壊したり、カキをつり下げるロープが絡まったりするなどし、現在、出荷できる業者は7軒にとどまる。
2月に予定していた町の一大イベント「雪中ジャンボかきまつり」は猛暑による成育不良で昨年12月に中止が決まっていた。町内の10店でカキ料理を提供する「能登半島穴水まいもんまつり冬の陣かきまつり」も、地震で取りやめとなり、穴水のカキを味わう機会が減った。
穴水支所の齋藤義己かき部会長(43)=穴水町川尻=は、今回のイベントを機に出荷を目指す業者が地震直後に比べて増えているとし、「穴水のカキや被災地に気持ちを寄せてもらうイベントはとてもありがたい」と喜ぶ。
かきまつりでは、穴水町の養殖業者7軒が各1500個のカキを出荷。蒸したカキを1皿5、6個を準備し、来場者は会場に設置したU字溝やコンロの炭火で焼いて味わう。宮城や広島など全国のカキも含め約2万個を提供する。会場には多くのキッチンカーも出店する。
実行委は、雪中ジャンボかきまつりが穴水で再び開催できる日まで南加賀で継続して開催する方針。イベントの運営費とボランティアスタッフを募っており、鳥竹さんは「能登の人たちへの思いや世間の関心を風化させないようにしたい」と話した。