高岡市の中心市街地で空き家になっていた古民家を活用したフランス料理店が4月中旬、開業する。100年以上前に建てられた古民家を再生し、地元の伝統工芸品の展示や体験のスペースも設ける。若いスタッフらが力を合わせ、地域の活性化につなげたい考えだ。
活用するのは、高岡市桐木町で大正期に建てられ、10年以上空き家だった2階建ての古民家。不動産賃貸や看板製作を手がけるタイヨー(高岡市)がリノベーションして運営する。
空き家対策など地域課題に取り組み、まちなかのにぎわいを創出しようと事業化。古民家の雰囲気を残しながら改修し、天井や柱は漆を塗り直した。約1500平方メートルの広い庭もあり、眺めを楽しめるよう整備する。
店名は「moku」。小さな芽から成長していく木のようでありたいとの思いや、店内は木の温かみがあることから名付けた。
シェフは高岡龍谷高校調理科を卒業後、県内のホテルに勤め、フランスのレストランで修業した経験がある橋本竜さん(27)。テーブル席14席を設け、地元産の魚介や野菜を使ったコース料理を提供する。
明治期に建てられた蔵もあり、高岡銅器や高岡漆器など伝統工芸の若手作家の発表やワークショップができる場にする。元の持ち主が所有していた火鉢を含め高岡銅器のディスプレーを備え、観光客に高岡の文化を発信する。
ガラスの器や庭造り、ロゴ制作なども若手の作家らに依頼した。店は20代の3人で切り盛りする。橋本さんは「若い力で高岡を盛り上げていきたい」と意気込む。
3月下旬にプレオープンし、4月中旬に開店する。