仕込みに向けて設備の説明を聞く櫻田社長(右)=白山市の車多酒造

仕込みに向けて設備の説明を聞く櫻田社長(右)=白山市の車多酒造

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白山の車多酒造で醸造再開  被災の珠洲・櫻田酒造  12日から「楽しみしかない」

北國新聞(2024年3月12日)

 車多酒造(白山市)と、能登半島地震で酒蔵などが倒壊した櫻田酒造(珠洲市)は12日、共同醸造を始める。がれきの下から見つかった酒米を使い、白山市内の設備で仕込む。11日は櫻田博克社長が車多酒造を訪れて設備の説明を聞き、被災後初めてとなる酒造りに意欲を高めた。

 車多一成社長は櫻田社長を出迎え、櫻田酒造の銘柄「大慶(たいけい)」とプリントされた作業着をサプライズで贈り「おいしい大慶を造ってください」と激励した。櫻田社長は30年来の友人である車多社長の粋な計らいに「どれだけありがたいと言っても足りないぐらいありがたい」と笑顔を見せた。

 櫻田社長は仕込みに使うタンクや酒母(しゅぼ)などを見て回ったほか、車多酒造の杜氏(とうじ)や蔵人が使用する寮の説明を受けた。櫻田社長は1週間程度、寮で生活しながら仕込み作業を行う。今回仕込む酒は4月中旬に完成する予定で、販売方法は今後検討する。

 櫻田社長は「被災直後はもう酒造りができないと思ったが、再び酒造りができるのは本当にうれしいし、楽しみしかない。酒造りはやめられない」と話した。車多社長は「共同醸造を契機に大慶の魅力を全国の人に知ってもらいたい。一日も早い櫻田酒造の再興につながってほしい」と語った。

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