16日の北陸新幹線加賀温泉駅開業に向け、加賀市美術館に山中塗や九谷焼の伝統工芸をはじめ、絵画、書、写真など地元作家の作品を並べるコーナーが新設された。美術館は駅の目の前にあり、立ち寄る観光客も多いことから、地域に根差して創作活動に励む地元作家の魅力を紹介することで、加賀の美術文化を広く発信する。
市美術協会理事長で九谷焼作家の河島洋館長が昨年4月の就任当初から、人を呼び込む構想の一つとして、準備を進めていた。
玄関の正面に位置するロビーの一角に、作品を展示、販売するコーナー「ミュージアムショップ」を設けた。市美術協会に呼び掛け、作家19人の油彩、水彩、日本画、陶芸、漆芸、ステンドグラス、書、写真を1点ずつ並べている。
月末までのミュージアムショップの利用状況を見ながら、新年度以降の継続を判断する。開設が続いた場合は、市美術協会のほか、市内の工芸団体などにも出展を呼び掛ける。
河島館長は「来館者に楽しんでもらおうと、地元作家が創作意欲を高め、美術館の活性化を図るきっかけにしたい」と話した。出展作家は次の各氏。
▽絵画 長谷川清、林俊六、山下誠一、柿谷昭一郎、時枝純子、原田敏子▽日本画 新家康代▽陶芸 河島洋、池島保雄、中村秋塘▽漆芸 大下宗香、松山武司、東堂達也、駒沢徹▽諸工芸(金工) 林信子▽書 東谷浩子、渡司歳、福島紫紅▽写真 宮下一夫