鉄道の旅を彩った焼き物の汽車土瓶やそば皿を展示している企画展=福井県越前町の県陶芸館

鉄道の旅を彩った焼き物の汽車土瓶やそば皿を展示している企画展=福井県越前町の県陶芸館

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鉄道旅彩った懐かし焼き物 越前町の県陶芸館で特別展

福井新聞(2024年4月15日)

 明治20年代~昭和40年代に鉄道の旅を彩った多彩な焼き物を展示する特別展(福井新聞社後援)が、福井県越前町の県陶芸館で開かれている。駅弁とともに提供されていたお茶の容器、汽車土瓶や駅そばのそば皿など、当時を物語る貴重な焼き物を中心に、約100点を並べている。

 汽車土瓶は主に信楽や益子、瀬戸で生産され、昭和20年代には県内でも作られていたことが分かっている。越前焼のそば皿は北陸本線の今庄駅で、乗客がわずかな待ち時間で食べるそばを提供していた。いずれも使い終わると捨てられていた。

 そのため、展示品は今ではなかなか手に入りにくい品ばかり。汽車土瓶は、収集家で文筆家の秦秀雄氏(坂井市出身)が集めた品や、福井駅周辺の発掘品などが展示されている。「Neo汽車土瓶」と題し、越前焼と信楽焼作家が手がけた現代版汽車土瓶も並ぶ。

 そば皿は、そば店を展開する県内企業が所蔵する約10点が並ぶ。昭和20年代~30年代、越前市氷坂の窯元が製作していた。そば皿は当時は一度に安く大量に生産するため、皿の縁にだけ釉薬(ゆうやく)を施して複数枚重ねて焼成しており、現代のそば皿とは違った趣が楽しめる。

 特別展は北陸新幹線県内開業を記念し、県陶芸館が企画。6月23日まで。

 一般800円、高校生以下と70歳以上は300円、未就学児は無料。毎週月曜と4月30日、5月7日休館。問い合わせは同館=電話0778(32)3262。

 5月4日と6月1日午前11時からは、学芸員が展示品の見どころを解説するギャラリートークがある。

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