砺波市の庄川水記念公園一帯で行われる「庄川水まつり」の目玉イベント「流木乗り選手権」が8月、5年ぶりに復活する。再整備の協議が進む同公園周辺を活性化させようと、地域住民らでつくる同まつり実行委員会が企画。関連イベントも今月11日から通年で開く。金谷将副運営委員長(37)は「原点に立ち返り、地元を地域全体で盛り上げていきたい」と意気込んでいる。
庄川水まつりは、旧庄川町の豊富な水資源をアピールするため、1985年から8月1~7日の「水の週間」に合わせて毎年開催。87年に始まった流木乗り選手権は、水に浮かぶ丸太を回転させて相手を落とす大会で、県外からの参加も多い人気イベントだった。
10年以上前に会場の庄川本流が水不足に陥ったことがきっかけで、代替の特設プールを製作。それ以降、子どもや女性の部を新設して本流とプールを併用してきた。ただ、近年は丸太を支える人や審判などの担い手不足に悩まされ、存続の危機に。新型コロナ感染拡大による祭りの中止が決定打となり、2019年を最後に開催を見送っていた。
目玉イベントを復活させる背景には、20年から協議が続く同公園と周辺の再整備がある。現在はまだ協議段階で、住民側が市に利活用の方法を提案しているところだ。一部の住民は「自然を通じ、住民と観光客が一つになって盛り上がれるような"ハード面"を整備してほしい」と望む。交流人口の拡大に向けた整備が進むように、実行委は「庄川水まつり」を軸とした多彩なイベントを企画し、"ソフト面"の充実に力を入れることにした。
関連イベントは5~11月にわたり、キャンプやラフティングなどを企画。第1弾は今月11、12の両日に行う。11日はサウナやたき火などを通して自然に親しむ催しで、12日は親子向けの日帰りキャンプを開く。
5年ぶりの流木乗り選手権は、8月4日に特設プールのみで開催する。参加定員などはこれから決める。
金谷さんは、今年が旧砺波市と旧庄川町の合併による新市誕生20周年の節目であることに触れ「いろいろなタイミングが重なった良い機会。県内外の人に庄川の魅力を伝えられるように頑張りたい」と語った。